2026年5月31日(日)四十年の無理解の重さ
丁寧に準備して臨んだ発表に対する反応が冷ややかだった。
しかし、まず、発表内容に対して不安を感じることはなかった。発表のための準備を進めるほどに題材に対する理解が明らかに深まったし、信頼する読み手には面白がってもらえていたので。
また、聴衆を責める気も起きなかった。私の発表はきちんと理解されていない四十年以上前の著作を読み直すものだったのだが、それほど長いこと理解されなかった著作が二十分の発表で急にわかるようになるはずがないだろう。
先の長さにちょっと落ち込んだが、仕方ないことだと感じた。料理人であれば、確信を持って作った料理が客に評価されなかったからと言って料理をやめたりしないだろう。適切に作り直しながら理解されるまで続けるだけだ。そして、四十年ほど無理解に晒されながら、いまだにめげずに手を替え品を替え研究を続けているあの著者は本当にすごい、と思った。