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2026年6月26日(金)幽玄に結びつかない陰影

Neutral 古織部 向付(桃山時代 / 16世紀) 鯵、ふのり、きゅうり、水茄子

鯵は重みの感じられる食材である。もし鯵と、きゅうりや水茄子を同じような大きさで切ったならば、重さの鯵に対して、きゅうりと水茄子は水に近い味わいによって軽さを担っていたことだろう。しかしNeutralでは、きゅうりや水茄子は飾り切りが施された小さな要素として皿に置かれる。それは、青い香りや、じゅくっとした湿り気だけを口の中に表して消え、明るい陽の光の中の木陰のような印象をもたらす。このような陰のあとに続くとき、鯵はそれ自体では陰でも陽でもない食材でありながら、陰を引き延ばしていくように振る舞う。ふのりのくぐもった岩石感もそうした暗いトーンを確認する。

夏の北側に向いた長い廊下は燦々と明るい屋外に比べればぼったりと暗くて、しかしそこにも多量の光が差し込むので、陰の中でさえ明るいのか暗いのか判然としない。ところどころに置かれた物のあたりは確かに陰の色が濃くなっていて、そのために他の部分の陰の淡さが際立ち、陰の濃淡を知る。このような幽玄に結びつかない陰翳を喚起するのがNeutralの料理だった。